119 救急車 元救急隊長が教える心不全について


心不全は予防できる?「歳のせい」と思わないために

結論

心不全は病気そのものの名前ではなく、さまざまな心臓病がもとで起こる症状のまとまり(症候群)を指します。しかし、早めに気付き、適切な治療と生活習慣の改善を行うことで進行を遅らせ、元気な生活を長く続けることは十分可能です。

私が救急隊長として勤務していた頃も、「息切れくらい歳のせいだと思っていた」「足のむくみが気になっていたけれど放っておいた」という方が、重い心不全で救急搬送されるケースを数多く経験しました。

心不全で大切なのは、「悪くなってから治す」のではなく、「悪くならないようにする」ことです。

今日からできる対策は次の5つです。

  • 血圧をきちんと管理する
  • 塩分を摂り過ぎない
  • 適度な運動を続ける
  • 毎日体重を測る
  • 息切れやむくみを「歳のせい」と決めつけない

これだけでも心不全の悪化を防ぐ大きな一歩になります。

救命士
救命士
血圧管理が全てですね・・これは加齢と共に必須事項となります。

心不全とはどんな状態?

心不全とは、心臓が全身へ十分な血液を送り出せなくなった状態をいいます。

病名というよりも、「心臓の働きが弱くなった状態」の総称です。

高血圧や心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症など、さまざまな病気が原因となります。

年齢とともに増える病気であり、日本では高齢化に伴って患者数も増え続けています。


初期症状は「年のせい」と勘違いしやすい

心不全の初期症状は非常に分かりにくいのが特徴です。

例えば、

  • 階段で息切れする
  • 少し歩くと疲れる
  • 足がむくむ
  • 夜中に何度もトイレへ行く
  • 横になると息苦しい

これらを「年齢のせい」と思い込んでしまう人が少なくありません。

救命士
救命士
面倒なのが、労作性から入ることです。ですから年のせい(体力低下)と思い込んでしまうことなんです。

しかし、心不全の始まりである可能性もあります。


私が救急現場で見てきたこと

救急隊として出動すると、

「昨日までは普通だった。」

そう家族が話されることがよくありました。

しかし詳しく聞くと、

  • 数週間前から足がむくんでいた
  • 最近歩くのが遅くなった
  • 夜眠れないと言っていた

という話が後から出てきます。

今思えば、それが心不全のサインだったというケースは決して少なくありませんでした。


心不全を放置するとどうなる?

心不全は徐々に進行する病気です。

悪化すると、

  • 呼吸困難
  • 肺に水がたまる(肺水腫)
  • 救急搬送
  • 長期入院
  • 寝たきり

につながることがあります。

一度入院すると、筋力低下によってフレイルやサルコペニアが進み、以前の生活に戻れない方も少なくありません。


今日からできる予防

血圧管理

高血圧は心不全最大の危険因子です。

毎日家庭血圧を測る習慣をつけましょう。

時々、SNSなどで「血圧は年齢+100が基準」というエビデンスのカケラもない100年前の腐ったことを未だに言ってる人(稀に医者もいる)がいますが、無視しましょう。彼らは1ミリも責任なんて取らないんですから・・・

救命士
救命士
血圧管理が全てですね・・これは加齢と共に必須事項となります。

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塩分を控える

塩分を摂り過ぎると体内に水分がたまり、心臓への負担が増えます。

救命士
救命士
私は味付けにパンチを効かせるためにレモン汁を利用しています。

味付けを少し薄くするだけでも効果があります。


毎日体重を測る

数日で2~3kg体重が増えた場合は、脂肪ではなく体内に水分がたまっている可能性があります。

心不全悪化のサインになるため、早めに受診しましょう。


適度な運動

無理をする必要はありません。

毎日の散歩や軽い筋力トレーニングでも十分です。

筋肉量を維持することは、心臓への負担軽減にもつながります。


禁煙・節酒

喫煙は血管や心臓への負担を増やします。

飲酒も適量を心掛けましょう。

救命士
救命士
お酒は分解過程でアセトアルデヒドが産出されます。これは一時的な血管拡張作用があるのですが・・・その後に交感神経が刺激されて血管が収縮し、長期的には血圧上昇や動脈硬化のリスクにつながります

こんな時は迷わず119番

次のような症状があれば、ためらわず救急車を要請してください。

  • 安静にしていても息苦しい
  • 胸の強い痛み
  • 唇や顔色が紫色になる
  • 意識がもうろうとしている
  • 呼吸が非常に苦しい

これらは命に関わる状態である可能性があります。

救命士
救命士
これらの状態は、どう見てもかなり悪い=緊急性が激高ですよ!

元救急隊長からひと言

救急現場で何度も感じたのは、「もう少し早く受診していれば」ということでした。

心不全は突然始まる病気ではありません。多くの場合、小さなサインを出し続けています。

「歳のせいだから」「疲れているだけだから」と我慢せず、気になる症状があれば早めにかかりつけ医へ相談してください。

健康寿命を延ばすためには、病気になってから治すのではなく、病気を悪化させないことが何より大切です。


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