心不全は予防できる?「歳のせい」と思わないために
結論
心不全は病気そのものの名前ではなく、さまざまな心臓病がもとで起こる症状のまとまり(症候群)を指します。しかし、早めに気付き、適切な治療と生活習慣の改善を行うことで進行を遅らせ、元気な生活を長く続けることは十分可能です。
私が救急隊長として勤務していた頃も、「息切れくらい歳のせいだと思っていた」「足のむくみが気になっていたけれど放っておいた」という方が、重い心不全で救急搬送されるケースを数多く経験しました。
心不全で大切なのは、「悪くなってから治す」のではなく、「悪くならないようにする」ことです。
今日からできる対策は次の5つです。
- 血圧をきちんと管理する
- 塩分を摂り過ぎない
- 適度な運動を続ける
- 毎日体重を測る
- 息切れやむくみを「歳のせい」と決めつけない
これだけでも心不全の悪化を防ぐ大きな一歩になります。
心不全とはどんな状態?
心不全とは、心臓が全身へ十分な血液を送り出せなくなった状態をいいます。
病名というよりも、「心臓の働きが弱くなった状態」の総称です。
高血圧や心筋梗塞、不整脈、心臓弁膜症など、さまざまな病気が原因となります。
年齢とともに増える病気であり、日本では高齢化に伴って患者数も増え続けています。
初期症状は「年のせい」と勘違いしやすい
心不全の初期症状は非常に分かりにくいのが特徴です。
例えば、
- 階段で息切れする
- 少し歩くと疲れる
- 足がむくむ
- 夜中に何度もトイレへ行く
- 横になると息苦しい
これらを「年齢のせい」と思い込んでしまう人が少なくありません。
しかし、心不全の始まりである可能性もあります。
私が救急現場で見てきたこと
救急隊として出動すると、
「昨日までは普通だった。」
そう家族が話されることがよくありました。
しかし詳しく聞くと、
- 数週間前から足がむくんでいた
- 最近歩くのが遅くなった
- 夜眠れないと言っていた
という話が後から出てきます。
今思えば、それが心不全のサインだったというケースは決して少なくありませんでした。
心不全を放置するとどうなる?
心不全は徐々に進行する病気です。
悪化すると、
- 呼吸困難
- 肺に水がたまる(肺水腫)
- 救急搬送
- 長期入院
- 寝たきり
につながることがあります。
一度入院すると、筋力低下によってフレイルやサルコペニアが進み、以前の生活に戻れない方も少なくありません。
今日からできる予防
血圧管理
高血圧は心不全最大の危険因子です。
毎日家庭血圧を測る習慣をつけましょう。
時々、SNSなどで「血圧は年齢+100が基準」というエビデンスのカケラもない100年前の腐ったことを未だに言ってる人(稀に医者もいる)がいますが、無視しましょう。彼らは1ミリも責任なんて取らないんですから・・・
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塩分を控える
塩分を摂り過ぎると体内に水分がたまり、心臓への負担が増えます。
味付けを少し薄くするだけでも効果があります。
毎日体重を測る
数日で2~3kg体重が増えた場合は、脂肪ではなく体内に水分がたまっている可能性があります。
心不全悪化のサインになるため、早めに受診しましょう。
適度な運動
無理をする必要はありません。
毎日の散歩や軽い筋力トレーニングでも十分です。
筋肉量を維持することは、心臓への負担軽減にもつながります。
禁煙・節酒
喫煙は血管や心臓への負担を増やします。
飲酒も適量を心掛けましょう。
こんな時は迷わず119番
次のような症状があれば、ためらわず救急車を要請してください。
- 安静にしていても息苦しい
- 胸の強い痛み
- 唇や顔色が紫色になる
- 意識がもうろうとしている
- 呼吸が非常に苦しい
これらは命に関わる状態である可能性があります。
元救急隊長からひと言
救急現場で何度も感じたのは、「もう少し早く受診していれば」ということでした。
心不全は突然始まる病気ではありません。多くの場合、小さなサインを出し続けています。
「歳のせいだから」「疲れているだけだから」と我慢せず、気になる症状があれば早めにかかりつけ医へ相談してください。
健康寿命を延ばすためには、病気になってから治すのではなく、病気を悪化させないことが何より大切です。


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