~慌てず命を守るための行動~
まずは落ち着いて行動することが何より大切
家族が突然倒れたり、胸の痛みや意識障害を起こしたりすると、多くの人は慌ててしまいます。しかし、救急車が到着するまでの数分間の対応が、その後の回復に大きく影響することがあります。
まず大切なのは、慌てずに119番へ通報することです。住所や目印、患者の年齢や症状、意識があるかどうか、呼吸をしているかを落ち着いて伝えましょう。分からないことがあっても無理に判断する必要はありません。通信指令員の質問に一つずつ答え、その指示に従って行動することが大切です。
次に、患者の意識と呼吸を確認します。肩を軽くたたきながら名前を呼びかけても反応がなく、普段どおりの呼吸をしていない場合は、心停止の可能性があります。このような場合は、通信指令員の指示を受けながら胸骨圧迫(胸の中央を強く速く押す救命処置)を始めます。
一人で対応するのが難しい場合は、近くの人に助けを求めましょう。「119番をお願いします」「AEDを持ってきてください」と具体的に頼むことで、協力を得やすくなります。
また、玄関の鍵を開け、救急隊がすぐに入れるようにしておくことも重要です。ペットがいる場合は別の部屋へ移すなど、安全に搬送できる環境を整えましょう。
救急車を呼ぶべき症状
救急車を呼ぶか迷うこともありますが、次のような症状がある場合は、ためらわず119番へ通報しましょう。
突然意識を失った。
呼吸が苦しそう、または呼吸をしていない。
激しい胸の痛みが続いている。
顔や手足の片側が動かない、言葉がうまく話せない。
激しい頭痛が突然起こった。
大量の出血がある。
高い所から落ちた、大きな事故に遭った。
これらは命に関わる病気やけがの可能性があります。自分で病院へ連れて行こうとせず、救急車を呼ぶことが大切です。
救急車を待つ間に確認すること
救急隊が到着するまでの間は、患者の様子をよく観察しましょう。
意識があるか、呼びかけに答えられるか、呼吸は普段どおりか、顔色はどうかなどを確認します。
症状が始まった時間も重要です。脳卒中などでは、症状が始まった時刻が治療方針を決める大切な情報になります。
また、患者が飲んでいる薬や、お薬手帳、健康保険証、診察券などを準備しておくと、救急隊や病院での対応がスムーズになります。
意識がある場合の対応
意識があり会話ができる場合でも、無理に歩かせたり動かしたりしないようにしましょう。
胸の痛みがある人は楽な姿勢で安静にし、衣服をゆるめます。
吐き気がある場合は、吐いたものが気道に入らないよう、できる範囲で体を横向きにすると安全です。
水や食べ物、薬は自己判断で飲ませないようにしましょう。手術や検査が必要になる場合があり、かえって危険になることがあります。
意識がない場合の対応
意識がなく、普段どおりの呼吸をしていない場合は、すぐに胸骨圧迫を始めます。
胸の中央を、1分間に100~120回程度の速さで、約5~6センチ沈むように強く押します。
AED(自動体外式除細動器)が近くにある場合は、できるだけ早く持ってきてもらい、音声ガイドに従って使用します。
AEDは専門知識がなくても使えるように作られており、必要な場合だけ電気ショックを行う仕組みになっています。
救急隊へ伝える内容
救急隊が到着したら、次のような情報を伝えましょう。
・いつから症状が始まったか
・どのような症状があったか
・持病はあるか
・飲んでいる薬はあるか
・アレルギーはあるか
・これまでに行った応急手当
これらの情報は、迅速な治療につながる大切な手がかりになります。
家族が普段から準備しておきたいこと
突然の救急時に備え、日頃から準備しておくことも大切です。
健康保険証やお薬手帳、診察券を一か所にまとめて保管しておくと、慌てずに持ち出せます。
持病や服用中の薬、緊急連絡先を書いたメモを用意しておくのも役立ちます。
また、自宅や近所にAEDがどこに設置されているかを確認しておくと、万一の際に落ち着いて行動しやすくなります。
家族で「もしものときは119番へ通報する」「誰が玄関を開けるか」「誰がお薬手帳を準備するか」などを話し合っておくことも安心につながります。
まとめ
救急車が到着するまでの時間は短いようで、とても重要な時間です。家族が落ち着いて119番へ通報し、患者の意識や呼吸を確認し、必要に応じて胸骨圧迫やAEDを使用することで、命が助かる可能性が高まります。
また、玄関を開けておくことや、お薬手帳や健康保険証を準備すること、症状が始まった時間を確認しておくことも、救急隊や病院での対応を助けます。
日頃から家族で救急時の対応について話し合い、必要な情報や持ち物をまとめておけば、いざというときも落ち着いて行動しやすくなります。
突然の病気や事故は誰にでも起こり得ます。だからこそ、正しい知識を身につけ、救急車が到着するまでの数分間を大切にすることが、大切な家族の命を守る第一歩になります。


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