法定相続情報一覧図とは?

法律系(本人や家族がしなければならないこと)

銀行などの相続手続きを簡単にする便利な制度

相続手続きを進める際には、銀行や証券会社、不動産の名義変更などで、亡くなった方(被相続人)の戸籍謄本や相続人全員の戸籍謄本を何度も提出する必要があります。相続人が多い場合や戸籍が複数ある場合には、戸籍一式が何十枚にもなることも珍しくありません。それだけでバカにならないお金が飛んでいきます。

そこで活用したいのが、法務局が発行する「法定相続情報一覧図の写し」です。この制度を利用すると、戸籍謄本の束を何度も提出する手間が省け、多くの相続手続きをスムーズに進めることができます。


法定相続情報一覧図の写しとは

「法定相続情報一覧図の写し」とは、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本や、相続人全員の戸籍などを法務局へ提出し、その内容を基に法務局が相続関係を一覧図として証明した公的な書類です。

この一覧図には、

  • 被相続人(亡くなった方)
  • 配偶者
  • 子ども
  • 父母
  • 兄弟姉妹

など、法律上の相続人が誰であるかが分かりやすく記載されています。

この見本は母のみ、子供2人の場合です。

法務局の認証を受けた公的書類であるため、多くの金融機関や各種手続きで戸籍謄本の代わりとして利用することができます。


法定相続情報一覧図を利用するメリット

戸籍謄本を何度も提出しなくて済む

通常、銀行や証券会社ごとに、

  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本

を提出しなければなりません。

しかし、「法定相続情報一覧図の写し」があれば、多くの金融機関では戸籍一式の代わりとして提出できるため、書類の準備や確認にかかる時間を大幅に減らすことができます。


相続手続きを効率よく進められる

銀行口座が複数ある場合や、不動産の名義変更、証券会社での手続きなど、相続手続きはさまざまな機関で行います。

そのたびに戸籍謄本を提出する必要がなくなるため、手続き全体がスムーズになり、相続人の負担を軽減できます。


銀行で戸籍謄本の代わりとして利用できる書類

法務局が発行した「法定相続情報一覧図の写し」は、多くの金融機関で次の書類の代わりとして利用できます。

  • 被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本
  • 相続人全員の現在の戸籍謄本

これにより、大量の戸籍謄本を何度も提出する必要がなくなります。

ただし、金融機関によって必要書類が異なる場合もあるため、事前に確認しておくと安心です。


原本還付を利用すると何度でも使える

法定相続情報一覧図の写しは、提出時に「原本還付」の手続きを行うことで、提出した原本を返却してもらうことができます。

返却された原本は、別の銀行や証券会社、法務局での不動産相続登記など、ほかの相続手続きでも利用できます。

そのため、金融機関が複数ある場合には、あらかじめ複数枚取得しておくか、原本還付を利用すると効率よく手続きを進めることができます。


遺言書がある場合に必要となる書類

相続手続きでは、遺言書の種類によって必要となる書類が異なります。

自筆証書遺言がある場合

亡くなった方が自筆証書遺言を残していた場合は、原則として家庭裁判所で「検認」の手続きを行う必要があります。

救命士
救命士
もし遺言書を見つけても、勝手に開封したらダメです!必ず家庭裁判所で検認をうけてください。場合によっては処罰されることもあります。

検認後に発行される「検認済証明書」は、金融機関や各種相続手続きで必要となる場合があります。

なお、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用して保管されていた遺言書については、家庭裁判所での検認が不要となるため、通常の自筆証書遺言とは手続きが異なります。


公正証書遺言がある場合

公正証書遺言は、公証役場で公証人が作成する公的な遺言書です。

家庭裁判所での検認は不要であり、原本または正本・謄本を利用して相続手続きを進めることができます。

内容が明確で法律上の形式も整っているため、銀行や法務局での相続手続きも比較的スムーズに行えるのが特徴です。


手続きを進める際の注意点

法定相続情報一覧図の写しは便利な制度ですが、これだけですべての相続手続きが完了するわけではありません。

金融機関では、次のような書類の提出を求められることがあります。

  • 金融機関所定の相続届
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 本人確認書類
  • 遺言書や遺産分割協議書(必要な場合)

必要書類は金融機関によって異なるため、事前に確認してから準備すると手続きがスムーズです。


まとめ

法定相続情報一覧図の写しは、相続手続きを効率よく進めるための非常に便利な制度です。戸籍謄本を何度も提出する手間が省けるため、銀行や証券会社、不動産の相続登記など、さまざまな場面で活用できます。

また、遺言書がある場合は、その種類によって必要な手続きや提出書類が異なります。自筆証書遺言、公正証書遺言、それぞれの特徴を理解し、必要な書類を早めに準備することで、相続手続きを円滑に進めることができるでしょう。

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